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2008年5月22日 (木)

水鏡

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今日は夏のような暑い1日でした。それでも、夕方になるとさわやかな風が吹き、気持ちの良い時間です。

保津川の流域では、GW頃から、上流の京北や日吉から順に田植えが始まります。田植えが始まる順番は、上流から。長年の「水争い」の中で、水をいかに効率的に利用するか編み出された先人の知恵です。そしてこの数日で亀岡盆地でもやっと田植えが始まりました。

かつて筏が流れていた頃は、5月10日までがその期限だったそうです。川に井堰が設けられる上、田んぼに水が張られて水量が減るため、その日を境に筏は流せなくなったのです。何らかの理由で筏を流すのが遅れたら大変。きっちり夜中の12時を境に余分な通行料を取られたり、こっそり知り合いに頼んで黙認してもらう、なんて歴史もあったそうです。

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水がたたえられた田んぼはまるで鏡のように、夕日を映し出しています。そしてその田んぼではシラサギたちが夕ご飯。かつて江戸末期に日本を訪れたシーボルトは、「江戸参府紀行」の中で、その美しさを

“雪のように白いサギは魅惑的な姿をしている。この鳥が姿を現すと、農民の心に一種の畏敬の念を起こさせ、ツルやその他のサギ類と同じように幸運をもたらすものとみなされているのは、別に不思議ではない。”

と記しました。

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かつては、サギのほかにもコウノトリやトキもごく普通に見られたのでしょうね。人と野生動物がともに暮らす、そんな景色をいつまでも残したいものです。

プロジェクト保津川 原田

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