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2008年7月25日 (金)

河原のごみと「割れ窓理論」

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先日の大商大佐々木ゼミのボランティア体験の際に見つけたゴミです。これがいったい何かお分かりになるでしょうか?

実はこれ、電気ケーブルの銅線を取った後のゴム製の被覆です。近年の資源高の影響を受けて、各地で電線が盗まれる、という事件が頻発していますが、これが盗まれたものかどうかはともかく、高値で売れる中の銅線だけを抜き取って、売れないゴミは河原に捨てられていました。モラルも何もあったもんじゃない、本当に酷い話です。こういうのを放っておくと、やがては犯罪も防げなくなるのではないでしょうか。

かつてアメリカ・NYは犯罪の多発する世界でももっとも危険な都市のひとつでした。それが今では、アメリカの中でももっとも安全な都市の一つへと姿を変えたわけですが、その改革の過程でで重視されたのが有名な「割れ窓理論」でした。

「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」は、アメリカの心理学者であるジョージ・ケリング(G.L.Kelling)博士が提唱した理論で、治安が悪化するまでには次のような経過をたどるとされています。

  1. 建物の窓が壊れているのを放置すると、それが「誰も当該地域に対し関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。
  2. ゴミのポイ捨てなどの軽犯罪が起きるようになる。
  3. 住民のモラルが低下して、地域の振興、安全確保に協力しなくなる。それがさらに環境を悪化させる。
  4. 凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。

というものです。したがって、治安を回復させるには、

  • 一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる(ごみはきちんと分類して捨てるなど)。
  • 警察職員による徒歩パトロールや交通違反の取り締まりを強化する。
  • 地域社会は警察職員に協力し、秩序の維持に努力する。

などを行えばよい、とされています。

(出典:『割れ窓理論による犯罪防止―コミュニティの安全をどう確保するか』)

つまり、1枚目の窓を割るのは心理的抵抗が大きいのですが、割れている窓が1枚でもあると他の窓を割る時の心理的抵抗は非常に少なくなってしまうため、目に見える軽微な犯行を減少させることで他の犯行の誘発を防ぐという考え方です。

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この写真は、同じ場所に捨ててあった花火です。最近、保津川の河原では若者グループが夜、花火を楽しむ姿を多く見かけます。その多くの人は、悪意はないと信じたいのですが、誰かがゴミを「置いて行く」と、「ここはゴミを捨ててもいいんだ」と思うのでしょうか、どんどんゴミが「置いて行かれる」という状況が生まれます。そしてそれはやがて、集めすらしない、「放ったらかし」という状況につながってしまいます。BBQゴミも同じでしたが、まさにゴミがゴミを呼ぶ、という状況が生まれます。さらに警察の方に伺うと、盗難車と思われる車で乗り付けて大騒ぎをしていくグループもいるとか。

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少し離れたところには、またまたBBQのごみが捨てられていました。しかも、スーパーのカゴも一緒に捨てられています。これもお店のカゴを盗んだ、という立派な犯罪ですし、ゴミの投棄もまた立派な犯罪です。

こんな「ちょっとしたこと」、別にどうでもいいんじゃないか、と思われるかもしれません。しかし、これがやがては大きな犯罪につながらないように、徹底的に監視する必要もあるわけです。川のごみ掃除は環境保全はもちろんのこと、地域の安全保障の面からも大きな意味があるのです。

最初の電線の被覆は、あいにくゴミ袋に入らなかったために、すぐに保津川下りの船頭さんたちに撤去していただきました。今はとにかく、「芽は小さなうちに摘む」ことを目指して清掃活動を行っていますが、これから「ゴミマップ」などを活用して、行政や自治会などさまざまな人々とも連携してゴミのない川を目指したいと思います。

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