« 保津川~もうひとつの職人技 | トップページ | 嵐山の夜明け »

2008年11月25日 (火)

アユモドキの天敵、ブラックバス(オオクチバス)の駆除活動を実施

001

アユモドキに緊急事態発生!

今年の春、国の天然記念物アユモドキが生息・繁殖している保津川流域の河川に多数のブラックバスの流入が確認され、その食害が心配されていましたが、秋の調査で、アユモドキの当歳魚(今年生まれた子どものこと)が1匹も確認できない状態となってしまいました。

もちろん、アユモドキの稚魚が確認できなかった原因を、外来魚による食害だけに限定することはできませんが、もう1か所のアユモドキ生息地である岡山県では、ブラックバスやブルーギルといった外来魚による食害が確認されています。ほとんどの亀岡のため池でも、ブラックバスやブルーギルが密放流された結果、在来魚が駆逐されてしまったと考えられています。

このまま、来年以降も同じ状況が続くと、繁殖に参加できる親魚の世代交代が行われず、近年中に亀岡のアユモドキが絶滅することが確実な情勢です。

この緊急事態に対応するため、行政機関やNPO法人「亀岡・人と自然のネットワーク」のみなさんたちによってブラックバスが流入してくる経路を調査したところ、大部分が安町大池から流出しているということが判明しました。

そこで環境省、京都府、亀岡市、地元の関係者、NPO、コンサルティング業者、研究者などが連携し、11月16日に安町大池のブラックバス駆除作業が実施されました。

002

2週間ほどかけて水深1mまで減水させた池を、長さ100m程の網で取り囲み、徐々に寄せてきて魚を追い込みます。そしてその内側に曳き網(地引網のような網です)を投入し、大勢の人で引っ張りあげました。

寄せてくると、泥とともに無数の魚が暴れています。何とそのほとんどがブラックバスでした。

004

その数約250匹。中には、体長50cmもある大型も獲れました。それ以外に確認できた魚は、カムルチーという外来魚や大型のヘラブナとヨシノボリ程度で、以前にはたくさん生息が確認されていたタナゴやモツゴといった在来の小型魚はまったく獲れませんでした。おそらくはブラックバスはじめ外来魚に食べ尽くされたのではないか、ということでした。残念ながら、これは亀岡に限らず日本各地で見られる現実で、いわば今の日本の池の現状です。

003

その後、同じ作業を繰り返し、最終的に7時間をかけて約600匹ものブラックバスの駆除に成功しました。

これで、来年、アユモドキの繁殖地に外来魚の流入がなくなることを期待するとともに、駆除された外来魚の冥福を祈ります。

ブラックバスはじめ外来魚は、彼らの意思によってそこにやってきたわけではなく、人間の手により強制的に日本に移入され、そしてただ釣りの対象魚として、無秩序な放流が行われて日本中に広まりました。そしてまた、人間に嫌われ駆除されるという被害者(魚)であります。在来魚も、外来魚も、そのどちらにも罪はありません。

命を尊重し、こうした悲劇を拡大しないためにも、アングラーによるゲリラ的な密放流行為は厳しく法律で取り締まることが大切だと、駆除活動に参加して痛感しました。

(Y)

|

« 保津川~もうひとつの職人技 | トップページ | 嵐山の夜明け »

丹波の歴史・文化・自然」カテゴリの記事

コメント

ひどい状態ですね。
モラルや常識が通用しない世の中なので、
厳罰化や小学生のことからの教育が必要でしょうね。
駆除作業の援助として、バス釣り道具とかにも環境税を掛けるべきでしょう。

投稿: mushiaqua | 2008年12月 3日 (水) 21時27分

mushiaquaさん
ブームだから、という理由だけでバス釣りが広がり、そのブームが去ったあとには、破壊された生態系だけが残る。それほど在来魚にとってもバスにとっても悲しい結末はないように思います。単純に解決できる問題ではないだけに、幅広い市民の理解が必要なのですが、デリケートな問題だけに、難しいですね。

投稿: プロジェクト保津川 | 2008年12月 3日 (水) 23時33分

物事を、100:0 で考えると対立も起こりますので、90:10 80:20 程度での容認姿勢で考えてもと思います。

じゃあ、どうする?って話になりますが。

都道府県単位で考え、何ヶ所かはブラックバス容認特区で、バス釣りに対し入漁量を取る池や川をいくつか設ける。

その他の河川・池は、在来種を守る場所。
との区分けを明確に釣りをする人に
伝えるとか。

その後、在来種保存河川や池からは、徹底的に排除し、その排除したブラックバスは、容認池に放流し、釣堀状態としブラックバスの釣り大会を開催し、貸しボート + 隣接飲食店等で、地域のレジャー資源とし、活性化をはかり、容認河川・容認池で上がった収益を、他の河川や池の在来種の保存に当てる。

こんな割り切り方があってもいい気もします。

ブラックバスも、他の魚種が少なくなり結果的に自分達だけになると、自分達の幼魚を食べたり、しているようにも思います。

多分に、今の時代ならホームページで情報開示し、アングラーに知らせてあげれば、みんな喜んでくれる気がします。

グレーゾーンを無くして、白黒はっきりで
いいのでは?

20数年前の高校生の頃に、近所の大人の人に、七色ダムや、池原ダムでバス釣りに釣れていってもらった時は、感動ものでした。

今は、バス釣りはしていませんが、きっとそんな管理された釣り場が出来たら、魚にも釣り人や、地元の皆様にも素敵な環境が整うのではないでしょうか。

投稿: shitateya | 2008年12月 4日 (木) 02時16分

× 入漁量
○ 入漁料

ですね。m(_ _)m

投稿: shitateya | 2008年12月 4日 (木) 02時22分

shitateyaさん
たとえば耕作放棄地の増加に伴って、水抜きなど管理されなくなったため池の増加も大きく影響している気がします。

密放流はもってのほかですが、里山の環境に代表されるように、アユモドキはじめ日本の多くの生き物は、人が適度に関わる環境の中で進化を遂げてきました。その関わり方が変化して、生き物の生息環境も大きく代わってしまったように思います。

shitateyaさんが提案されているように、ある程度割り切った自然との接っしかたもこれからは必要かもしれませんね。

投稿: プロジェクト保津川 | 2008年12月 4日 (木) 10時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 保津川~もうひとつの職人技 | トップページ | 嵐山の夜明け »