保津川に謎の木造船発見?!
それは、雑木林のそばに打ち捨てられた3艘の船でした。台車に乗せられた1艘はFRP船ですが、あと2艘は木造船ではないですか!近寄って見てみると・・・
大きい方の舟は樹脂コーティングがされているとはいえ、間違いなく木造船です。面白いことに現在のFRP舟のように側版の下のほうはプラスチックパネルでガードされています。しかし、その一方で船首に近い艫(トモ)には、目穴がちゃんとあります。
そしてまた、船首部分の内側には、船を曳いて上がる際に、ハナボウという竿を使って船を押す際に、竿を舟にあてるための切り込みまでちゃんと入っているではないですか!
これはもしや、昭和40年代から50年代にかけて、保津川下りの舟が木造船からFRP船に切り替わる途中でみられたという、過渡期の船じゃないか?!と、興味が湧いてきます。でも、それにしては長さがちょっと短いぞ?(保津川下りの舟は12m、この舟は7mほど)、と謎は深まるばかり。
たまたま近くを通りかかった方に聞いてみると、持主の方を紹介してくださいました。
「あぁ、あれは保津川下りの船とはちゃうで、魚とりの船や」
そう、川漁師さんの船だったんですね。ただ、それにしては形がただの川船というよりは、保津峡の急流を下るために独特の工夫がされた保津川下りの船に大変似ています。そのことを聞いてみると
「舟大工さんに作ってもろたんや。昔はこの辺には何人もおらはったでなぁ。今やったら、もう作れへんで。」
と。そしてまた、驚いたことに、この舟で嵐山まで下って、台車に乗せてトラックで引っ張って帰って来られたそうです。道理で本格的な形の舟だったわけです。しかし、いくら漁師さんとはいえ、急流の保津川を、こんな小さな船で嵐山まで下っていた、なんてことがこれまた驚きです。
また調査しなければならないことが一つ増えました。調べれば調べるほど、新たな発見があり、また疑問がわき出してくる保津川、今以上に人との関わりが濃厚だったころの保津川を、一度タイムマシンで見てみたいものですね!
(H)
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