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2009年9月23日 (水)

保津川筏復活プロジェクト2009が行われました その3

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さあ、いよいよ筏流しの出発です。今回は平成の筏士が筏士の目線からお伝えします(笑)

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筏を組んだ場所からいったん上流へと上ります。そのまま下るとコースから外れてしまう恐れのあるため。さあ、気を引き締めて保津川の急流へ!(内心ドキドキわくわくでした)

第1関門、保津川と清滝川の合流点、落合を下ります。このあたりは最近土砂が堆積し、保津川下りの船が底をすりながら下るところです。さすが筏!喫水が浅いため底をすらずに無事通過!

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撮影隊が先に撮影現場に行くように、「書物岩」の右岸側で一時待機。これも6連の筏だからできること。これが12連だと筏が蛇のように曲がって大変なことになるでしょう。かつての保津川は筏に優先権があり、筏と船が同時に下るような時は、船が待機して、筏が先に通っていたそうです。今ではラフティングが待機して、船が先に下る。時代が変わってもこの図式が変わらないところ(暗黙の了解)がおもしろいですね。

さあ、嵯峨野観光鉄道・トロッコ列車の鉄橋をくぐり、「奥の段」へ。

撮影隊の第1班が待ち受けます。多くのフラッシュの中を下るのもいい気分ですが、失敗が許されない緊張感が身を引き締めます。

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ここ「奥の段」は難所の一つ。流れが左に曲がり、流れの右側には岩が張り出し、筏が引っかかる恐れのある場所です。

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写真を見ての通り、必死に流れの左方向に方向転換しようとしているのがわかりますか?この後に流れの右岸側に「たたら」という帯状の岩場が待ち受けているからです。また、後ろの筏が岩に乗り上げようとする瞬間、竿を差して、回避しています。実はこの時筏が少し岩に擦れ、「ガガガガッ」と音を立てました。しかし先の筏が通れば後の筏も通る(元筏士談)というように、すりながらもうまく通過できました。これが12連の筏であればいったい・・・?!

さあ、撮影隊第2班の待つ「龍門」に到着!

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ここでまた、撮影隊を先に行かせるために待機です。

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実はこの前の急流で、私の竿が折れたため、緊急に船に載せてある予備の竿と交換するハプニングがありました。今回、かつての筏士が使っていたヒノキの竿を用意しようと思っていたのですが、使い慣れた船の竿がいいだろうということで、普段使っている竿を使っていたのですが、やはり筏の操舵には向かないみたいで、真っ二つに折れ、あやうく川に落ちそうになりました。昨年は上流部のなだらかなところでの筏流しで、竹の竿でも十分対応できていたので・・・。保津峡の急流を甘く見ていたようです。今回の反省点!!

さあ、いよいよ、最大の難関「大瀬」へと向かいます。大勢関係者、ギャラリーの見守る中、緊張のボルテージはMAXを迎えます!!

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大瀬の最後の段差(約1mほど)に乗り込む瞬間。一つのミスも許されない!何一つ変化を見落とさないよう流れを、筏の動きを、岩の位置を、目と体で感じながら!普段見慣れている場所がこんなに違って見えるものなのか!水面を時には水の中をいかだと一体になりながら、五感を駆使して感じていく・・・。

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筏の先が水の中に突っ込んでいきます。先頭より二番手の舵を持つ人が筏の先を浮かそうと舵の丸太を下に押さえながら右に舵を動かします。一番舵の操作の難しいところです。

無事、大瀬を通過しました。

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今回「カン」を作っていただいた片井さんも手を挙げて、私たちの労をねぎらってくださいました。片井さん!やりましたよ!

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落合から大瀬までは道がなく、ギャラリーもまばらでしたが、嵐山のたもとあたりからだんだんとギャラリーが増え始め、私たち一同、驚きました。船頭を12年やっていますが、これだけの人たちを見るのも初めて!それもみんなカメラを構えて私たちに注目しています。ありがたいやら・・・、恥ずかしいやら・・・

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亀山公園の展望台の撮影スタッフに手を振ります。予定時刻より1時間遅れの到着となり、さぞかし今か今かと首を長くして待ってくれていただろうと。心配かけまして、すみませんでした。そして、ありがとう!!

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筏と船のランデブー!今、保津川では決して見ることのない風景。かつてはこんな風景も保津川では見られたのかもしれません。

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秋晴れの空の下、亀山のたもとにも大勢のギャラリーが。

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嵐山通船の嵐峡めぐりの船とすれ違う。通船の船頭さんたちも温かい声援を送っていただきました。おおきに!!

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多くの声援と拍手の中、ゴール地点にようやく着岸です。推定ですが、約200人の方々が出迎えてくれたようです。

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筏が現れたときの上田さん、目を潤ませておられたようです。

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上田さんのお顔を拝見したとき、なにか、張り詰めていたものがふっと消え、内からこみあげてくる感動に打ちふるえました。昨年よりいろんな形でバックアップしていただき、いつでも時間の許す限り、御話を聞いてくださり、また助言していただきました。上田さん、酒井さんという元筏士の力にこれほど助けられたことはなかったと思います。

そして、今回、保津峡の急流での筏流しばかりがクローズアップされますが、私個人としましては、一番大変だったのが、筏組でした。昨年と違い、不揃いの材木を筏に組んでいくことの大変さといったら言葉にはできません。途中途方にくれそうにもなりました。

しかし、元筏士さんたちの言葉を思い出しながら、一つ一つ組んでいく。彼らの言葉が私の励みになりました。そして、かつての筏組の大変さを痛感しました。

筏士は材木を一目見て、その太さと長さを見分けなければならないそうです。現に上田さんたちは一目見てわかるそうです。

ああ~。知識と経験の重みを感じます。何が「平成の筏士」や!筏のいの字もわかってない!

「ようやってくれました。筏も上出来です」という上田さんの言葉にちょっと救われたような気がします。

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いっしょに筏を作り、ともに流し、また船を操り、バックアップしてくれた船頭さんチームのみんな、どうもありがとう。そして、来年もよろしく(笑)

普段は船というフィールドで共に働き、苦楽を共にしていながら、当然のことの様に思える友情・・・。このイベントを通して、新たに仲間の大切さを気づかせてくれました。

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元筏士・上田さんと鍛冶・片井さんの握手。この握手にはいろんな思いが込められているように感じました。

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わが娘とハイタッチ(笑)

私たちは子供たちに何を残せていけるのであろうか。

私たちは、今、川に生かされ、川に生きる者として、この清き保津川と生き生きとした川の文化をいかに子供たちに伝えていけるのか。自問自答の日々が続きます。

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今回、筏流しに使われた木材は、車折神社、京福電鉄、亀岡市篠町自治会等において再利用される予定です。

かつて、丹波の木材が保津川を流れ、京都の建築等に利用されていた。その一端だけでも表現できることは、この保津川筏復活プロジェクトの趣旨であり、目標でもあります。

物流の大動脈として栄えた「保津川」。その歴史と記憶は永遠に語り継がなければなりません。

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スタッフ・関係者一同で記念写真。

皆様方、どうもありがとうございました。

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さあ、感慨にふけってばかりもいられません。筏を解体し、搬出する作業が待っています。学生のボランティアスタッフもなれない作業ながら、がんばって運んでくれました。ありがとうございました。

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今回、使用した藤蔓と樫の木。

上田さんのお話では、筏流しが盛んな時代、嵯峨の筏の貯木場(今の京都嵯峨芸術大学付近)では、筏を組みかえたりする際、不要になった藤蔓や樫の木が山積されていたそうである。その蔓などを地域の人々が、焚き物(燃料)とするため持って帰ったそうである。何一つ無駄なものはないのである。

元筏士さんの聞き取り調査の中での言葉が今蘇ります。

『筏の技術やらを伝えていただけるのは結構なことやと思います。しかし、それ以上に「もったいない」という気持ちを伝えていただけたら、なお結構なことやと思います・・・』

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地元・亀岡にある「南丹運送」さんのトラックで材木が搬出されます。材木運びのプロにお任せします。よろしくお願いします。

ある意味、これらの材木は今日の主役でした。私に苦しみと喜びを与えてくれた(笑)

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帰途へ帰る船頭衆。夕陽を浴びる渡月橋。今までとはちょっと違って見える風景。

船頭衆の心に、スタッフ・関係者の心に、そして、皆さんに、今回の「保津川筏復活プロジェクト」はどう映ったのでしょうか?

さあ、新たな歩みが始まります!!

(K)

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