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2010年6月15日 (火)

保津峡クリーン作戦が行われました!

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6月9日(水)、今年も亀岡市環境政策課主催の保津峡クリーン作戦が実施されました。先月末の大雨のあと、大量の漂着ゴミが流れ着いていた保津峡のゴミを一掃しよう!と行われた真剣勝負の清掃作業、今年も大変な量のゴミが集まりました。

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角倉了以による保津峡開削400周年を期にスタートしたこのクリーン作戦、今年で5回を迎えます。今年は、亀岡市環境政策課、保津川遊船企業組合、プロジェクト保津川に加えて、JR西日本、アオキカヌーワークスのみなさんもボランティアで駆けつけてくださり、総勢27人で、丸一日保津峡の清掃活動を行うことになりました。

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一行は3艘の舟に分かれて出発、私はJR西日本のみなさんと同じ舟に乗りました。今回の合同での清掃活動は、かねてより申し出をいただいていた亀岡駅長さんのおかげで実現しました。

普段は「保津峡」という観光名所を、京都を訪れた観光客のみなさんにPRしていただいているみなさんですが、その保津峡を綺麗にする活動のお手伝いを、と休日にも関わらず駆けつけてくださいました。ありがとうございます!

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日増しに緑が濃くなる保津峡。先月末には大雨で大量のゴミが流れ着いていたのですが、なかなか水位が下がらず、回収もままなりませんでした。

保津川下りの舟は、小さいように見えて12mと大型バス並みの長さがあり、狭くて流れが急な保津峡の中で、舟を回したり、接岸したりという作業は船頭さんたちにも高度な技術が要求されるのです。当日は、やっと水位も落ち着き、峡谷内でも舟を自在に停めて作業が出来る様になったのでした。

ちなみに上の写真、実は舟は「上流」に向かっています。保津峡一の落差を誇る「小鮎の滝」を過ぎたところで、舟に「急ブレーキ」をかけて、くるんと転回、そして水面下に沈んでいる岩をうまく避けて接岸。文字にすると簡単そうに見えますが、機械の助けを一切借りず、船頭さんの腕だけで行われるこの作業、実際に目の当たりにすると、迫力満点なんですよ!

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ちょっとした繁みの中にも、大量のレジ袋や肥料袋、シート類が引っ掛かって美観を損ねています。一つ一つを手で取り除く地味~な作業は、根気のいる仕事です。

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不法投棄されたであろう大型ゴミもたくさん漂着しています。タイヤに冷蔵庫、お寿司屋さんの生け簀用の水槽?までありました。ほかにも工事現場から流れ出したものでしょうか、不動産屋さんの看板なんかもありました。

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そして川が大きくカーブする場所の外側には、大量のペットボトルや発泡スチロールが漂着しています。ちなみにこの写真の岩場は水面から4メートルほど高い場所になります。美しい峡谷にはまるで似つかわしくない風景。この日は真夏日になったのですが、日差しを遮るもののない岩場の上での作業は、足元にも十分に気をつけなければならず、想像以上に神経をすり減らします。

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途中、殿の漁場という場所に舟を停めて昼食をとりました。文字通りの「手弁当」で集まったみなさん、例年以上の、想像を超すゴミの量にクタクタでしたが、すぐ傍には美味しい沢水も流れていて、疲れをいやしてくれます。

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さて、午後からの作業でめざすのは、写真の赤い丸で囲んだ部分。保津峡一の難所ともいわれる「獅子ヶ口」の「象の鼻(どのはな)」と呼ばれる場所で、長く続く急流が大きく左に急カーブする、川下りの中でも随一のスリルの有る場所です。そのカーブの外、右岸側は、高さが4メートルほどもある急峻な岩場で、今の季節は、綺麗な岩つつじもたくさん見られる場所です。

ところが、先日の大雨で、この岩場の上に、高さ2メートルほどの高さに、大量のワラや竹が堆積していて、そこにたくさんのペットボトルも溜まっています。大雨のあと、保津川下りが再開した日に船頭さんから「あんなゴミ、見たことない!」と話には聞いていたのですが、実際に目の当たりにすると、半端じゃないその量に圧倒されます!

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昼食をとっていた場所からは岩場を10分ほど歩いていくのですが、その途中でもご覧のとおり。本当はこれも全部回収したいのですが、時間の制約もあって今回はなくなく通り過ぎざるをえませんでした。

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どうですか、この量!

ただでさえ、閉口するようなゴミの量ですが、それを呑みこむようにして積み重なっているワラや竹にも圧倒されます。今、保津川流域の何ヶ所かでは、河川改修工事の一環として川べりの竹藪を伐採している場所もあるのですが、伐採されてそのままになっていた竹が一気に大雨で流されてきたようです。

先月の増水の様子を船頭さんが撮影されていたのですが、そこでも色々なものが流されていくようすが写っていました。その行きつく先の一つが、こんな険しい岩場なのです。

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足元を覆うワラや竹の下は必ずしも岩があるとは限りません。踏み抜いてしまえば、大けがもしかねない、危険な作業です。もうこれは、「ゴミ拾い」なんて気軽にいえるような作業ではないのです。残念なことに、こんな峡谷の中での作業は、なかなか人目に触れることもありません。だから余計に、「漂着ゴミ」という問題が、深刻な「環境問題」だと分かってもらえないのかなぁ、と思ってしまいます。

いつも、この保津峡の漂着ゴミのお話をすると、「そんなん、船頭さんたちが自分達の職場やねんから、自分らで掃除しはったらええやん」とか、「ゴミ問題は、個人のモラルの問題じゃないの?」といわれます。でも、たとえばゴミの多くを占めるペットボトルは、実は80%近くがちゃんとリサイクル用に回収されています。残りのたった2割が、ゴミとして流れ出しているわけです。

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漂着ゴミの中でも、ペットボトルが深刻な問題になったのは、実は1997年以降のことです。その前年に500ccのペットボトルの製造販売の自主規制が解除されたのですが、その時に、1.5Lや2Lの大型ペットボトルと違って、利便性の高い500ccのペットボトルは一気に普及するので、回収のシステムを根本的に見直さないといけない、ということが再三にわたって飲料メーカーや業界団体に要請されたにも関わらず、見切り発車のような形で販売がスタートして、結果的にこんなことになってしまいました。

確かにペットボトルはガラスびんよりも重量も軽く、便利なものです。そこだけを見れば、使いやすく、輸送時に排出するCO2も少ない、「エコ」な容器なのかもしれません。でも、せっかくの便利なものも、改修という出口をきちんと考えなかったら、大きな問題を引き起こしてしまいます。ペットボトルへの切り替えが、エコなこと、として宣伝されることもありますが、こういう問題を直視していただきたい、と思います。

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この場所だけで1時間近くかかって、“とりあえず”は見た目を綺麗にすることができました。本当はこの中にもまだまだ無数のゴミが埋まっているのですが、今回はあきらめざるをえません。ゴミが詰まったたくさんの袋を舟までみんなでリレーして運んで、次の地点へと移動です。

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次に作業に取り掛かったのは、「朝日の瀬」と呼ばれる一帯。相変わらずここにもたくさんのゴミが漂着しています。

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ちなみに作業をしているあたりの風景はこんな感じです。いかに足場の悪い場所なのか、おわかりいただけるのではないでしょうか。

岩場の先にある大岩は「孫六岩」と呼ばれる大岩です。あの豊臣秀吉が大坂城を築いた際に、石垣の根石として欲した、ともいわれている大岩で、以前はもっと大きな岩でした。今から400年前、保津川が開削される時まで、この大岩のせいで船が通ることが出来ませんでした。そこで保津川を開削した角倉了以は、京の石工の孫六親子に岩の“解体”を頼みました。孫六親子は、この仕事は命がけの仕事と、死に装束を着て作業にあたったそうです。そして三日三晩、岩の上で火を焚き、やっとのことで岩が割れました。しかし、孫六親子は岩が崩れた時に、それに巻き込まれて亡くなりました。そんな孫六親子の功績を後世に残す為「孫六岩」と今も呼んでるのですが、今のこのゴミだらけの保津峡を孫六親子はどんな気持ちで眺めているのでしょうね。

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大量のペットボトルの漂着以外にも、ぜひみなさんに知ってもらいたいゴミがあります。それは、破片化したプラスチックや発泡スチロールなどの「微細プラスチックゴミ」です。

プラスチック類は急流を流されたり、紫外線で劣化したりして、粉々に砕けてしまいます。保津峡でも、ちょっと足元を見ると、上の写真のように粉々になったプラスチックが数えきれないほどまぎれています。この足元だけで、本気で“微細プラスチックゴミ”を拾えば一日中ゴミ拾いができるでしょう。

この微細プラスチックゴミ、今、海洋生態系に深刻なダメージを与えるものとして、世界中で注目されています。それを食い止めるためにはどうすればいいのか?当たり前ですが発生源から絶たないといけません。こうして粉々になってからでは、もう回収することは不可能です。

実際、日本国内でも、たとえばノリを採る漁師さんたちや、佃煮やちりめんじゃこの工場のみなさんは、この微細プラスチックゴミに頭を痛められています。手作業でしか取り除くことの出来ない、こうしたゴミのせいで、廃業される業者さんも出てきていると聞きます。

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上の写真に写っている青い発泡スチロールの箱も、もしこのまま放っておいたら、海に出るころには粉々に砕けているのでしょう。でも、それを少しでも上流、つまり粉々になる前に食い止めることが出来たら、被害を防ぐことは可能です。

じゃあ、その仕組みをどうやって作っていくのか、それはもうモラルの問題ではなく、ペットボトルと同様に社会のシステムの問題だと思うのです。

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ここでも舟にゴミを満載して、ゴールの嵐山に向けて出発です。本当はこの下流でもゴミ拾いをしたかったのですが、時間切れで今日はここまで。もう体もクタクタです。

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夕陽を浴びて輝く?ゴミの山。船頭さんも「疲れた~!」とおっしゃっていました。

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ゴールの嵐山に到着。でもこれで終わりではなく、今度はトラックに積み込む作業が待っています。

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途中で荷台からこぼれおちないように、足で踏み固めて積み込みます。今回はなんと2tトラックに全部を積むことが出来ませんでした。このトラックの分だけで20Lの土嚢袋220袋!さらに、舟ごとトラックで運んだ分で135袋もありました。合計355袋!そして、土嚢袋には入らないタイヤやテレビなどの大型ゴミもたくさんありました。

ところで嵐山=京都市なんですが、そこに亀岡市のゴミ収集車。行政区域を越えてまでいつもゴミの回収に来ていただく亀岡市環境政策課のみなさんには脱帽です。

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最後に、全員で集まって挨拶をして本日の作業は終了です。去年と比べて倍以上に増えたゴミの量に、みなさん驚いていました。

こうして、行政マン、鉄道マン、船頭さん、ラフティングのインストラクター、そして私たち一般市民、仕事や立場の違いを超えて清掃活動の輪が広がってきたことがうれしくもあります。が、それだけじゃあ問題の根本的な解決にならないのも確か。まずはこの保津峡の現状を、多くの方に知っていただきたいなあ、と思いました。

みなさん、お疲れさまでした!

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